篆刻(てんこく)の魅力を紹介する日本初で唯一の専門美術館だそうです。建物は大正9年(1920年)に建てられた商家の石蔵を改修・利用しています。
篆刻作品ももちろんよかったんですが、この蔵が素敵なんです。建物は大谷石という石で造られていて、なんだかとても落ち着く。表面がでこぼこで、石なのに温もりがあるというか…。御影石とかとは違う。
“大谷石は、栃木県宇都宮市北西部の大谷町で採掘される軽石凝灰岩の一種です。
控えめな地色は素朴で温かみを感じさせる、独特の風合いを持った石です。 耐火性に優れていることから、煮炊きをするかまどをはじめ、建物の土台石、敷石、土留め、蔵、倉庫などの積み石に使用される一方、火災から守るために屋根石(石瓦)や、板蔵の貼り石として、外装、内装の建築用材ほか、様々な形で使用されてきました。また、柔らかく加工しやすいため、古くから石倉や石塀に使われ、最近では、内装材・オブジェ等にも広く用いられています。
昭和35年頃から採掘が機械化される以前の大谷石は、人力でツルハシを使って掘り出されました。1本掘るのに3600回もツルハシを振ったそうです。
大谷石は柔らかい印象を持った石。” (こちらから引用)
火に強いから、蔵に使われたんですね。この日、古河の街を車で走っていたら、ここにもあそこにもという感じで蔵がたくさん残っているのに気付きました。蔵のある街並みをまちづくりに活かしく取り組みだそうです。
“古河駅西口地区、鍛冶町の由来は江戸時代に野木町野渡から鍛冶職人が移転したといわれ、明治期以降は卸問屋の町として栄えてきました。
メイン通りとなる鍛冶町通りには、明治から大正期の店蔵・煉瓦蔵・座敷蔵などの伝統的な町屋が現存しており、この間、街中再生プロジェクト事業として”蔵を活かしたまちづくり”が進められてきました。
地域が長い時間をかけて大切にしてきた資源や景観を最大限に活かしたまちづくりプロジェクトのひとつが「みらい蔵」です。”
(こちらから引用)
今回は歴史博物館、文学館、篆刻美術館を見るので精一杯だったので、次回は他の蔵も見たいです。
表蔵。3階建て。まず扉が分厚くて重厚。敷居の木材なども。蔵だから、ひとつひとつがしっかり造られている。吹き抜けの天井もよかった。(中は写真撮れませんでした)
裏蔵。小中学生の習字作品が展示してありました。こちらも国の登録有形文化財。
蔵のことばかり触れましたが、篆刻も好きになりました。今まであんまり見た記憶ありません、篆刻。はんこの本体自体がエメラルドグリーンやカラフルな色の石で作られているので、書としても楽しめるし、彫刻作品としても美しくて、見ごたえがありました。
古河出身の篆刻家・生井子華(いくい・しか)の作品をメインに展示してあります。文字のデザインがそれぞれ違っていておもしろい。ゴシック体みたいなデザインもあって、意外に現代的に見える作品とか。