社殿前の広場の先は、鹿島神宮樹叢(じゅそう)【植えたのではなく、自生した樹木が密生している林地】が広がっています。東京ドーム15個分(70ヘクタール)の広さ。航空写真だと、鹿島神宮の部分だけ黒々とした森です。
鹿島神宮略年表によると、神武天皇元年に社殿が造立されています。この神武天皇元年はいつかと言うと、紀元前660年だそうで、今年西暦2017年は神武天皇即位紀元2677年に当たるらしいです。(出典)”千古の森”という説明をどこかで見たので、鹿島神宮は千年くらい前からあるんだろうと勝手に思いこんでいました。よく考えたら、御神木でさえ樹齢1300年。千年どころじゃなかった…。想像をはるかに超えていました…。
駐車場から大鳥居をくぐると身が削られるような寒さで、冬の一番寒い時期というのもありますが、いらないものをどんどんそぎ落とされてる感じがします。森の中の奥参道に入ると、両脇に鬱蒼とした大杉が並びます。薄暗くていつもひんやりしていて、こう書くとなんだか怖いような印象ですが、全然違います。空気が清浄なのか、歩いてだんだん体もあったかくなってきて、むしろ元気になっていく気がします。奥参道の途中に鹿園もあります。
奥参道を300メートル行くと、奥宮です。
奥宮にある社殿は、慶長10年(1605)に徳川家康が関ヶ原戦勝の御礼に現在の本殿の位置に本宮として奉納したものを、その14年後に新たな社殿を建てるにあたりこの位置に遷してきたものです。(こちらから引用)
つまり、もともとはこの奥宮の社殿が先に建てられていたんですね。徳川家康公が本殿として建てたけど、二代将軍秀忠公が新しく建てることになったので、まず「仮殿」に神様をお遷ししてから、旧本殿を奥宮まで曳いていき、その跡地に新しい社殿を造営したそうです。仮殿は現在の拝殿・本殿の向かい側にあります。下の写真です。
「仮殿」って、何で「仮」なの?と思っていましたが、これで謎が解けました。新しい社殿ができるまでの神様の仮住まいだったんですね。仮とは思えないほど、十分立派です。
奥宮は、現在の本殿のような煌びやかさはありませんが、お正月にはお参りの人が長い列を作ります。今回は人もまばらでゆっくりお参りできました。奥参道の中にあるので明るい日の光は届かないけど、この静けさが好きです。
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